【昔話:住所だけの指示書】

ジャパン昔話
SEを辞めて、当社(トミタ)に来て2、3年目の頃、25年位前の話です。

下請け業務で、「暖房機器取り付け依頼」

■住所しか書いていない指示書■

住所を見ると、中心部。

グーグル・マップなど無い時代。
ゼンリンの広域詳細地図でみると、住所も建物もあるけれど、「何も書いてない」
(会社名や個人名が本来出ています)

現場到着。窓が無い、小さい入口一つ、カメラ付きのビルでした。

「おぉー待ってたよ。頼むねぇ」
低姿勢かつ恐ろしい威圧感の方が(^^)
やばっ!ですよ。

行ってびっくり(笑)だから住所しか書いてないのか。即、悟りました。

淡々と仕事を熟していると横を、ただならぬオーラを発する人達が、

「おぉーご苦労さん、これで冬暖かくなるな」
「狭い処でわるいな。」
「にーさん、昼何食べる?」

まぁー優しい。とても優しい。

出前取ってくれましたが、出前のおじさんにも丁寧です。

「いつも旨いのありがとうな」

■これ、皆さん言えますか?出来ますか?■

お昼時、掲げてあった社訓を見てました。
素晴らしい事書いてあります。
要約すると、「人を大事にする
この一点です。

見ていると、
背後に、ただならぬ、覇気を感じまして、、
「にーさん、良いこと書いてるべ?」
「はい、そうですね。」
ニコニコ顔で、立ち去って行きました。

掃除して、綺麗にして
「それでは、失礼します」と、大分おかしな口調とトーンで言い、
帰ろうとしたら、

「ご苦労様だったね、これで助かるよ、ありがとうな」

と、言われました。

何しろ
「ただならぬオーラ」を発する皆さんから言われたので未だに忘れらません。

■こういう事、みなさん、言えますか?■

私は、BtoC も BtoBもやりますので、色々な方にお会いしますが、こういう事言える方、少ないですよ。

帰りしな、

「そうだ、にーさん、もし何かあったら、〇〇さんに言えば良いのかい?」

「はい、そうして下さい、多分、私が来ます」

「そか。分かった。 あとコレ、渡しておくよ、オレの名刺」

筆文字の名前しか書いてありませんでした。

ただならぬオーラのある人達のお話でした。


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